年が明けて2022年1月に入ったあたりから、調理中におかしな匂いを感じるようになりました。
買ってきた食材が傷んでいたのかと思い、嫌な匂いを感じた食材を処分し、新しい食材で作り直してみましたが、匂いは消えず、それは何度作り直しても消えることはありませんでした。
さすがに食材ではなく自分自身がおかしいのではないかと思い、妻に試食をお願いすると、「いつも通りの味でおいしいよ」と。
期待していました。妻も「え？なんか変やで」と言ってくれるのを。
しかし妻は満面の笑みで「おいしい」と私を突き放したのです。

私の嗅覚に異常が起きていることは確実です。
我が家の食を預かる身でありながら、調理中の味見もためらわれ、まともに調理することもできません。
何を食べても嫌な匂いを感じてしまい、食べることそのものが嫌になってきたのです。
さすがにこのままではまずいと思い、美味しく食べられるもの、嫌な匂いを感じて食べられないものを調べることにしました。
その結果、普段からよく口にしていたもので、食べられなくなっていたものは次の通りです。

• コーヒー（インスタントは特にダメ）や香料の強いジュース類
• 鶏肉、豚肉、牛肉（鶏もも肉は特にダメ）
• 玉ねぎ、ネギ、にんにく、ニラなどの香りの強い野菜
• のどぐろや鯛など、脂ののった白身魚（お刺身だと割と平気）
• チョコレートやスナック菓子
• プリンやケーキなどの洋菓子
• アルコール類（5%くらいまでならなんとか飲める）
• 食べ物ではありませんが、アルコール消毒液や塩素系漂白剤なんて最悪の部類
• 息子のスイミングスクールのプールに入れているのであろう塩素でもむせ返る
  など

もちろんこれらの中でも、たまに嫌な匂いを感じることなく食べられるものもありますし、ここに挙げた以外で美味しく食べていたにも関わらず、3口目くらいで急に嫌な匂いを感じて驚くこともあり、ほんとうになにがどうなっているのかわからない、食べることが不安で仕方ない日々だったのです。

何であれば安心して美味しく口にできるのかと思い悩む日々を過ごしながら、ある日お買い物で訪れた近所のスーパーで、ボスカフェベースが目に止まりました。
今はこんな便利なものがあるのか、コーヒーが飲めた頃に知りたかったなと目を外しかけたその時、同じ棚に並ぶ「TEABASE」の文字が目に入り、紅茶はどうなんだろう？と試してみたくなったのです。
家に帰ってさっそく1杯作ってみると「なんやこれ！めっちゃ美味しい！」と思わず声が出ました。
何を食べても、何を飲んでも不安がつきまとい、心の底から美味しいと思えなかったのがウソのように美味しいと思えたのです。
食は胃袋だけではなく心も満たすとはまさにこのことだと思えたのです。

2022年9月現在、私もいまだに風味障害が残っていますが、以前に比べれば、味覚障害や風味障害をはじめとするコロナ後遺症が取り沙汰されることは少なくなったように思います。
しかしながら、長い期間にわたりコロナに起因するであろう後遺症に悩んでおられる方々が少なからずおられるはずです。
まして、食に関することで不安を感じながらの生活は、家庭での食事はもちろん、友人・知人との食事、仕事上の食事にも、これまでは不必要だったことに配慮しながら生きていかなくてはならず、かなりの心の負担になっていることでしょう。
私の場合はボス ティーベースでしたが、安心して口にすることができ、心を満たしてくれる飲み物や食べ物があるのとないのとでは、生活が大きく違います。
こころなしか、風味障害も改善してきているような気さえします。
風味障害に悩んでおられるみなさんそれぞれに、安心して口にすることができる飲み物や食べ物が見つかることを願ってやみません。